【がん闘病】 ⑥ 聞いてないよ

妻ちゃんの病気の事

明日はどっちだ

7月末、妻ちゃんは訪問マッサージを頼んだ。2回目にマッサージの方から僕に連絡がかかってきた。

「もう、触るだけでも、痛がって何もできていません。流石におかしいと思います。奥さんもすみません、って仰るばかりで、、何か申し訳ありません…」

 

はぁ、すみませんでした。と言って電話を切った。

 

そしてその日、妻ちゃんに

「病院に行こう、おんぶしてでも行くし、救急車でもいいから、頼むから行こう。」

と言ったら、

「救急車とか来てくれるわけないでしょう!!」

とすごい剣幕で怒られた。

*****

翌日、僕は仕事で朝から熊谷に行っていた。ものすごい暑い日だった。40度を超えていたと思う。

駅に着いて、いつものように腕に彫り物が入っているあんちゃんがやってるラーメン屋で、クソ暑い中ラーメンでも食おうかな、と思っていると妻ちゃんから電話があった。

「もう、痛くて動けない。トイレも自分じゃ行けないよ、ゴメン」

正直なところ、やっと病院に行ってくれると思った。

午後の仕事をキャンセルし急遽有休をとって、駅の横の神社の境内から汗びっしょりになってがんセンターに電話した。

動けない事を話し救急車をお願いしたいと頼んだら、のんびりとした感じで

「今からはちょっと無理ですので、来週月曜にタクシーで来てください」

 

僕はさすがにキレて。。。*自己規制

 

その日は金曜だったけど、妻ちゃんとも話して土曜の朝に救急車を回してもらうことになった。それまでがんばれ。

TAROには、荷造りしながら

「朝から妻ちゃん病院に行くから、救急車に乗るよ。」

と説明したら

「わかった。おかあさん腰が痛いしねー。」

物わかりのいい子でよかった。。。

・・・

・・・・

・・・・・

救急隊員が家に入ってきた途端、TAROが聞いた事も無いような大声で叫びまくった

 

「お母さんを連れてくな!!触るな!!帰れ!!!!」

 

僕が抑えようとすると、今度は玄関のカギを全部閉めてドアの前に鬼の形相で立ち塞がった。

文字通り、両手両足を広げてとうせんぼをしながら。

 

「帰れ! わーわーーーぎゃーー!!!!!うぇぇぇうぇえぇ…!!」

 

妻ちゃんは救急隊員3人がかりでストレッチャーに乗せられながら、

「TARO、大丈夫だよ、一緒に行こう」と痛みに顔を顰めながらTAROを宥めて、なんとかかんとか3人で救急車に乗った。

 

この時、泣きながら必死に戦おうとしていたTAROはとってもかっこよかったよ。

 

「絶対乗らない!!」って泣きながら言ってたのに、乗ったら、「これが救急車…(*‘∀‘)」ってきょろきょろしてた。

 

病院についてすぐCTを撮った。TAROは看護師さんに連れられて託児室へ。

「骨に2か所転移して、かなり危ない状況です。いつどうなるかも判りません」

8月末まで来なくてよかったんじゃないの? そんなの、聞いてないよ。

 

 

⑦ に続く!!

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